「地方都市郊外戸建て住宅地における居住者の居住選択意向-福井市郊外4都市を事例として-」
菊地 吉信・野嶋 慎二
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No.42-3 2007年10月
http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2007-42-3-37-217.pdf
概要
少子高齢化の進む今日の日本においては都市のコンパクト化を進めることが求められている。そのために、既存の良好な住宅・宅地のストックを持続的に活用すると共に、郊外部での新規供給はできるだけ抑制することが望ましいと考えられる。
しかし、地方都市郊外では今もなお新規住宅地開発が進んでおり、一方、高度経済成長期からバブル期にかけて活発に供給された住宅地では、住宅の建たない空き区画も目立っている。
このような状況においては、既存住宅地の住環境を再検討し、問題点を改善することもあわせて検討しなければならない。
本研究では、福井県福井市の戸建住宅地を対象に、実際に居住している世帯の居住選択意向を明らかにすることを通じて、既存郊外住宅地の住宅・宅地ストックとしての利用可能性を高める方向性について検討することを目的としている。
また、次の三点に注目して分析を行っている。1.郊外住宅地居住者の入居経緯について、世帯属性と住宅・宅地の取得方法に着目して明らかにする。2.世帯の今後の居住意向について「住み続け意向」「住替え意向」の特徴を明らかにする。3.分析結果を踏まえ、住宅地の住宅・宅地ストックとしての利用可能性を高めるための方策について考察する。
アンケートにより調査を行い、そこで得られた結果を考察している。
結果として、居住の継続を望む世帯が多いものの、必ずしも積極的な理由からではない。一方、住替え意向を持つ世帯の多くは老後の生活への不安を主な理由としており、今後、現在の居住者構成のまま高齢化が進んだ場合、住替え意向が急速に高まる可能性もある。また、若年層において二次取得が一定の割合を占めること、住替え意向の高いこと、近居を目的とした入居の多いことが明らかとなっている。これらの結果を踏まえ分析を行い、個々の住宅地レベルでの対応のみならず、世代間の異なるニーズを把握し、地域の状況に即した都市レベルでの対応が必要となるとしている。
参考ポイント
住み続け・住替え意向における、世帯の意思決定の理由がアンケートをもとに示してあったので、モデル構築の際に参考にしようと思う。住宅・宅地の選択は様々な要因が絡んでくると感じるので、全てを対象とするのではなく、ある程度範囲を絞って考慮していこうと思う。
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
No comments:
Post a Comment