タイトル:決定木学習アルゴリズムを利用した土地利用シミュレーションに関する研究
ー福岡県糸島地域を対象としてー 山下秋朝 有馬隆文 出口敦 萩島哲
日本建築学会九州支部研究報告 第42号 2003年3月
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006974393
背景・目的
九州大学のキャンパス移転による糸島地域の急速な都市化の進展が予測され、周辺自治体はそれに対応すべくインフラ整備への取り組みや、旧来からの自然環境や集落環境を保全するための施策を検討した。しかし、急速な都市化の下で土地利用などをコントロールすることは難しく、特に市街化調整区域における開発行為への対策は大きな課題であった。地域全体のビジョンを描くことが重要であり、包括的なマスタープランとその具体的施策が求められ、現況の都市基盤の中で起こる土地利用変動の予測モデルをシミュレートし、将来的な開発圧力分布の視覚的把握を目的として研究は行われた。
方法
1.市街化調整区域における開発許可データを統計的に分析。開発立地要因の把握。
2.GIS上にデータベースを構築し、開発立地要因に基づく属性地の付加を行うことで、学習のためのサンプルデータの作成。
3.サンプルデータを用いて、C5.0アルゴリズムを使用した決定木学習を行い、開発・土地利用の立地モデルを抽出。モデルの妥当性の分析・検証。
4.3において抽出された開発・土地利用の立地モデルを糸島地域に対して適用。土地利用変動の予測分布を視覚的に把握・分析。
結果・考察・まとめ
シミュレーション結果と実データの一致確率は全体で91.69%、用途分類別でも工業系を除いて75%以上と高い値を示した。モデルの制度は妥当なものであり、予測には一定の信頼性があるという結果となった。用いた手法は、機械的学習手法を応用したものであり、膨大な統計的知識の処理を予測アルゴリズムにより一括して行うことで煩雑なルールの生成を容易に行うことができた。GISとの連携により予測結果を視覚的に把握することが可能なので、将来的変動を分析することにおいて一定の成果を得ることができた。
感想:自分がやろうとしていることに、比較的近い内容の研究であったので参考になったと思う。特に研究方法は、どういった手順を踏めばいいかが少し理解できた。
Sunday, May 31, 2009
Sunday, May 24, 2009
5月25日 久保田
タイトル:
都市衰退過程での空家の発生と集積および空き地の商業への影響に着目したマルチエージェントシステムによる都市シミュレーション 安藤陽介 横田敬司 吉川徹
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No.40-1 2005年4月
http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2005-40-1-6-51.pdf
内容目的:
マルチエージェントシステムに基づいて衰退過程を想定した都市シミュレーションを行なうことにより、空き家の発生、集積、コンヴァージョン、空き地の商業への影響に着目して、様々な要因に関する基本的な傾向を観察・分析することを目的としている。様々な要因を設定する際、作業が大変細かいと感じた。
結果考察のまとめ:
1.人口増減を加えた場合、都市はコンパクトなものになる。
2.コンヴァージョンは基本パターン以外で多く起こり、特に商業エージェントから住宅エージェントへのコンヴァージョンが多い。
3.人口増加に加え、空き家の集積の影響を組み込むと、都市の衰退が激化する。
4.地代上昇の概念を加えると、コンヴァージョンの回数が増え、また各エージェントの同辺率が変化する。
5.地代上昇の概念を加えると、都市の潜在総地代はほぼ同様の過程をたどり、頭打ちとなる。
6.商業と空き地の結合という概念を加えると、都市が虫食い的に衰退していく。
課題:
・コンヴァージョン費用を建設費より高く設定する必要がある点は、コンヴァージョンを抑制する重要な要因で、本モデルでは未考慮のものがある。
・影響を与える範囲や集塊性を計算する範囲の考慮。
・本研究の想定する都市規模は、村・町レベルへは適用できるが、大規模市街地にそのまま適用することは困難である。
・現実の市街地との対応あるいは理論モデルとの比較等によるシミュレーションの妥当性確認方法の開発。
感想:
マルチシミュレーションシステムの用い方、データの使い方などが少しわかたと思う。更に論文を読み、システムや研究課題について理解を深めていきたい。
都市衰退過程での空家の発生と集積および空き地の商業への影響に着目したマルチエージェントシステムによる都市シミュレーション 安藤陽介 横田敬司 吉川徹
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No.40-1 2005年4月
http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2005-40-1-6-51.pdf
内容目的:
マルチエージェントシステムに基づいて衰退過程を想定した都市シミュレーションを行なうことにより、空き家の発生、集積、コンヴァージョン、空き地の商業への影響に着目して、様々な要因に関する基本的な傾向を観察・分析することを目的としている。様々な要因を設定する際、作業が大変細かいと感じた。
結果考察のまとめ:
1.人口増減を加えた場合、都市はコンパクトなものになる。
2.コンヴァージョンは基本パターン以外で多く起こり、特に商業エージェントから住宅エージェントへのコンヴァージョンが多い。
3.人口増加に加え、空き家の集積の影響を組み込むと、都市の衰退が激化する。
4.地代上昇の概念を加えると、コンヴァージョンの回数が増え、また各エージェントの同辺率が変化する。
5.地代上昇の概念を加えると、都市の潜在総地代はほぼ同様の過程をたどり、頭打ちとなる。
6.商業と空き地の結合という概念を加えると、都市が虫食い的に衰退していく。
課題:
・コンヴァージョン費用を建設費より高く設定する必要がある点は、コンヴァージョンを抑制する重要な要因で、本モデルでは未考慮のものがある。
・影響を与える範囲や集塊性を計算する範囲の考慮。
・本研究の想定する都市規模は、村・町レベルへは適用できるが、大規模市街地にそのまま適用することは困難である。
・現実の市街地との対応あるいは理論モデルとの比較等によるシミュレーションの妥当性確認方法の開発。
感想:
マルチシミュレーションシステムの用い方、データの使い方などが少しわかたと思う。更に論文を読み、システムや研究課題について理解を深めていきたい。
Sunday, May 17, 2009
5月18日 久保田
テーマ:広域的観点が必要な土地利用規制における開発計画と行政権限の不一致に関する考察
ー地方都市郊外の大規模商業開発を例としてー 明石達生
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No.40-3 2005年10月
http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2005-40-3-71-421.pdf
keywords:大規模小売店舗、土地利用規制制度、地方分権、広域性
内容:都市の土地利用コントロールにおいて、制御の対象となるべき開発案件と、土地利用規制を所掌する広域自治体と基礎自治体の間における空間的スケールの不一致から、都市計画制度が機能不全に陥る事態があり得ることについての実証的考察。検討の題材には、地方都市郊外に立地展開する大規模商業施設の実例を取り上げている。
考察結果:現行制度の問題点は、都市計画法の極めて裁量性の高い許可まで、市のみで判断が可能になるように権限委譲してしまったことにあると考えている。市街化調整区域における大規模開発の許可は、本来、広域的空間計画の根本に属する計画的な判断事項であり、この判断権の帰属を計画論でなく事務能力論で整理してしまったことが、計画と実施の間における空間スケールの不整合を招いた原因でないかとと考えている。解決策として、開発許可の権限を市に置きながらも、一定のものは都道府県の同意を必要とする方法があるだろうとしている。
課題:モータリゼーションで広域化した都市圏の広がりに対応し、県の自主的判断によって広域に規制をてきようすることが、現実的に可能か。
感想:都市計画は市でも県でも単独で行なうよりは、近隣都道府県や市町村と協力して行なうことで効率はより一層良くなるということが伺えた。
ー地方都市郊外の大規模商業開発を例としてー 明石達生
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No.40-3 2005年10月
http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2005-40-3-71-421.pdf
keywords:大規模小売店舗、土地利用規制制度、地方分権、広域性
内容:都市の土地利用コントロールにおいて、制御の対象となるべき開発案件と、土地利用規制を所掌する広域自治体と基礎自治体の間における空間的スケールの不一致から、都市計画制度が機能不全に陥る事態があり得ることについての実証的考察。検討の題材には、地方都市郊外に立地展開する大規模商業施設の実例を取り上げている。
考察結果:現行制度の問題点は、都市計画法の極めて裁量性の高い許可まで、市のみで判断が可能になるように権限委譲してしまったことにあると考えている。市街化調整区域における大規模開発の許可は、本来、広域的空間計画の根本に属する計画的な判断事項であり、この判断権の帰属を計画論でなく事務能力論で整理してしまったことが、計画と実施の間における空間スケールの不整合を招いた原因でないかとと考えている。解決策として、開発許可の権限を市に置きながらも、一定のものは都道府県の同意を必要とする方法があるだろうとしている。
課題:モータリゼーションで広域化した都市圏の広がりに対応し、県の自主的判断によって広域に規制をてきようすることが、現実的に可能か。
感想:都市計画は市でも県でも単独で行なうよりは、近隣都道府県や市町村と協力して行なうことで効率はより一層良くなるということが伺えた。
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