Sunday, May 24, 2009

5月25日 久保田

タイトル:
都市衰退過程での空家の発生と集積および空き地の商業への影響に着目したマルチエージェントシステムによる都市シミュレーション     安藤陽介 横田敬司 吉川徹
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No.40-1 2005年4月

http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2005-40-1-6-51.pdf

内容目的:
マルチエージェントシステムに基づいて衰退過程を想定した都市シミュレーションを行なうことにより、空き家の発生、集積、コンヴァージョン、空き地の商業への影響に着目して、様々な要因に関する基本的な傾向を観察・分析することを目的としている。様々な要因を設定する際、作業が大変細かいと感じた。

結果考察のまとめ:
1.人口増減を加えた場合、都市はコンパクトなものになる。
2.コンヴァージョンは基本パターン以外で多く起こり、特に商業エージェントから住宅エージェントへのコンヴァージョンが多い。
3.人口増加に加え、空き家の集積の影響を組み込むと、都市の衰退が激化する。
4.地代上昇の概念を加えると、コンヴァージョンの回数が増え、また各エージェントの同辺率が変化する。
5.地代上昇の概念を加えると、都市の潜在総地代はほぼ同様の過程をたどり、頭打ちとなる。
6.商業と空き地の結合という概念を加えると、都市が虫食い的に衰退していく。

課題:
・コンヴァージョン費用を建設費より高く設定する必要がある点は、コンヴァージョンを抑制する重要な要因で、本モデルでは未考慮のものがある。
・影響を与える範囲や集塊性を計算する範囲の考慮。
・本研究の想定する都市規模は、村・町レベルへは適用できるが、大規模市街地にそのまま適用することは困難である。
・現実の市街地との対応あるいは理論モデルとの比較等によるシミュレーションの妥当性確認方法の開発。

感想:
マルチシミュレーションシステムの用い方、データの使い方などが少しわかたと思う。更に論文を読み、システムや研究課題について理解を深めていきたい。

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