Sunday, May 31, 2009

6月1日 久保田

タイトル:決定木学習アルゴリズムを利用した土地利用シミュレーションに関する研究
      ー福岡県糸島地域を対象としてー   山下秋朝 有馬隆文 出口敦 萩島哲
 日本建築学会九州支部研究報告 第42号 2003年3月

http://ci.nii.ac.jp/naid/110006974393

背景・目的
九州大学のキャンパス移転による糸島地域の急速な都市化の進展が予測され、周辺自治体はそれに対応すべくインフラ整備への取り組みや、旧来からの自然環境や集落環境を保全するための施策を検討した。しかし、急速な都市化の下で土地利用などをコントロールすることは難しく、特に市街化調整区域における開発行為への対策は大きな課題であった。地域全体のビジョンを描くことが重要であり、包括的なマスタープランとその具体的施策が求められ、現況の都市基盤の中で起こる土地利用変動の予測モデルをシミュレートし、将来的な開発圧力分布の視覚的把握を目的として研究は行われた。

方法
1.市街化調整区域における開発許可データを統計的に分析。開発立地要因の把握。
2.GIS上にデータベースを構築し、開発立地要因に基づく属性地の付加を行うことで、学習のためのサンプルデータの作成。
3.サンプルデータを用いて、C5.0アルゴリズムを使用した決定木学習を行い、開発・土地利用の立地モデルを抽出。モデルの妥当性の分析・検証。
4.3において抽出された開発・土地利用の立地モデルを糸島地域に対して適用。土地利用変動の予測分布を視覚的に把握・分析。

結果・考察・まとめ
シミュレーション結果と実データの一致確率は全体で91.69%、用途分類別でも工業系を除いて75%以上と高い値を示した。モデルの制度は妥当なものであり、予測には一定の信頼性があるという結果となった。用いた手法は、機械的学習手法を応用したものであり、膨大な統計的知識の処理を予測アルゴリズムにより一括して行うことで煩雑なルールの生成を容易に行うことができた。GISとの連携により予測結果を視覚的に把握することが可能なので、将来的変動を分析することにおいて一定の成果を得ることができた。

感想:自分がやろうとしていることに、比較的近い内容の研究であったので参考になったと思う。特に研究方法は、どういった手順を踏めばいいかが少し理解できた。

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