Monday, May 26, 2008

5月26日 講神

タイトル:決定木学習アルゴリズムを利用した土地利用シミュレーションに関する研究
     - 福岡県糸島地域を対象として-

日本建築学会九州支部研究報告,第42号,pp.321-324,2003年3月

出典:九州大学大学院 人間環境学府 都市共生デザイン専攻 アーバンデザイン学講座 有馬研究室
http://media.arch.kyushu-u.ac.jp/Download/thesis/H15_A01.pdf

<キーワード>
決定木、土地利用、シミュレーション

<目的>
今後大規模な開発圧力が予想される地域及び周辺地域(糸島地域)を都市化を段階的に捉え、マクロ的な土地利用変動をシナリオの変化に応じて予測・分析を行うこと
土地利用変動の予測モデルをシミュレートし、将来的な開発圧力分布の視覚的把握を行うことを研究の目的

<方法>
(1) 開発の傾向と実態から開発立地要因の把握
(2) 学習のためのサンプルデータを作成
(3) 開発・土地利用の立地モデルを抽出、モデルの妥当性の分析・検証
(4) 土地利用変動の予測分布を視覚的に把握し分布傾向を分析

<使用データ>【立地要因】参照データ:カテゴリー
【土地利用】
 都市計画図:市街化区域間距離
【交通】
 PDM2500(地図):主要幹線道間距離
 PDM2501(地図):最寄り駅間距離
 PDM2501(地図):最寄りIC間距離
 路面図:最寄りバス停間距離
【地形】
 数値地図50mメッシュ(標高):標高
 数値地図50mメッシュ(標高):傾斜角
 PDM2501(地図):陸水部間距離
 PDM2501(地図):海部間距離
【開発動向】
 開発許可:点的開発
 都市計画図:画面開発
 土地利用現状図:農地・山林

<研究の成果>
上位ルールの「標高69m」「市街化区域間距離1649m」は、自然系と都市的土地利用との大きな分岐となっていた。実際に福岡市は条例により「標高80m 以上の調整区域では原則として開発を規制」しており、本論理モデルのルールがその事を概ね反映していることからも、その有意性が確認できた。本研究により、過去の開発事例の立地特性を学習することでその開発ルールを抽出し、将来的な土地利用の予測へと活用する手法を構築した。

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