大都市近郊住宅地を対象とした住宅立地土地利用モデルの一試案とその評価
伊藤滋 水島孝二 支倉幸二
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 1970年
http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/1970-5-15-102.pdf
モデルの概要
大都市近郊の小都市における将来人口予測を、土地利用、交通条件、地価といういわば三位一体的なものの相互関連から行おうとした。住宅立地は需要者側と供給者側の行動によって決定されるが、それが静的関係において、いわば二曲線の好転から求められるというよりは、むしろ計画地域内各地区相互の関連及び同地域とその周囲との関連で把えていくことを主旨としたモデルである。
内容・結果
ある期の都市全域の人口を、地価、一期前の人口等から推定を行い、その人口を交通機関への接近度、人口密度等を説明変数として更に各地区に配分する。その配分された地区別人口は、別に宅地供給関数を媒体として求められた地区別の宅地供給量と結びつけられ、これらが説明変数として組み込まれた地価関数によって各地区の住宅価格が決められる。この地区別住宅価格は、全市1本の平均宅地価格に換算されて市外の地価水準と比較され人口総量変動の一つの要因となる。
地区別地価→市全域人口→各地区別人口→地区別地価→・・・という繰り返し演算を必要とするループを設定し、市全域の人口がある一定の変動範囲に収束するまで実施する。アウトプットされるものは、各年次別・各地区の地価、人口、宅地供給量の3指標である。
戸田市を対象にシミュレーションを行い、将来の人口予測を行っている。考察において、過去の動向のみを尊重しているケース1,2よりは、都市計画的常識によって改良を施していったケース5,6,7,8の方が比較的信頼性の高いものであるとしている。
感想
1970年の古い論文ではあったが、参考になりそうな数式や、考え方が多く使われていた。大いに参考にしたいと思う。
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