Friday, July 3, 2009

7月3日 久保田

詳細な属性を考慮した都市圏世帯分布予測システムの構築
五十嵐豪 徳永幸之 宮本和明 杉木直
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No.40-3 2005年10月

http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2005-40-3-158-943.pdf

背景・目的
近年、都市の熟成化と共に、人口分布に変化が起こっており、ある程度詳細な世帯構成を明示的に考慮した効率的な公共投資計画が必要であるといえる。そのためには、まず現在の世帯分布をその詳細なタイプや住宅タイプ別に推計した上で、将来の変化を予測する必要がある。本研究ではそのための予測モデルを構築することを目的としている。

方法・内容
国勢調査データを用い、2000年から2020年までの5年毎にシミュレーションを行っている。様々なパラメータを作成し、数式モデルを用いて条件を設定し、シミュレーションを行った。IPF法という手法を用いている。IPF法の次元数を増加させ、住み替えを十分に説明できるよう、従来の研究よりも詳細な世帯属性まで推定し、ゾーンレベルでの世帯の現在分布推定を試みている。
さらに、構築した世帯予測システムを仙台都市圏に適用し、システムの有用性を確認している。

結果・考察・まとめ
本研究の成果として、IPF法の次元数を増加させるモデルの入力値である現在分布を推定することで、長期的な需要予測に対応してシステムを構築したことがあげられる。また、構築した世帯予測システムを仙台都市圏に適用し、システムの有用性を確認した。
課題としては、マイクロシミュレーションなどへの適用においては更なる検討が必要であること、背に確率の再考と転居先モデルの精度向上、社会動体を含めたシステム再現性の確認、政策評価モデルとしての有効性を高めるためタイプ別住宅の供給モデルの構築、などがあげられている。

感想
いくつか利用できそうな数式を見ることができた。研究に用いることができるか吟味していきたい。また、システムの都市への適用を行っている点は大変参考になった。

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