Monday, January 11, 2010

1月 12日 久保田

大都市都心部における人口回帰と転居意向を考慮した居住環境整備に関する研究
川島崇、平居直樹、村橋正武
(社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No.40-3 2005年10月
http://pkawap20.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2005-40-3-131-781.pdf

要約
近年の都心回帰現象に着目して、大阪市をケースに居住環境整備のあり方を検討している。都心居住者の転居意向と影響要因をアンケート調査し、数量化2類と共分散構造分析を用いて分析を行っている。その結果、現在の都心居住が必ずしも長期定住型ではないことを明らかにし、また、居住者の多角的な居住環境整備の意向を構造解析することから、都市居住を継続させるための居住環境整備方策の提案を行っている。
1) 住宅・近隣環境レベル、住宅ストックの少ない地域においては、大規模開発や地区計画を用いることにより、地域を限定して居住環境整備を行なうことが重要である。
2) 都市・地区環境レベルにおいては、防犯・防災の安全性に対する対応とともに、居住者が集まりコミュニティを育てることができる居住環境をつくることが重要であり、重層的な整備を図ることで、都心居住者が新たな定着層として地域に根付くと考えている。

感想
居住環境に対する意識はどの世帯でもほぼ同様であること、定住希望者は住宅・居住環境に対する評価は比較的よく、転居希望者は住宅の評価が低いこと、単身世帯や夫婦共働き世帯、居住年数が少ない世帯で住替え意向が強く、その他では定住意向が強いことなど多くの参考になる点があった。また、地域特性によっても住替え意向に変化があるので参考にしたい。

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